迷惑メールを自動で振り分ける
「POPFILE」の設定法

「POPFile」は米国で作られた無料ソフトで、迷惑メールの撃退には大変評判の高いソフトです。内容は日本語に変換されています。ホームページは: http://popfile.sourceforge.net/  から「日本語」を選んで、ご覧になれますが、ダウンロードに慣れておられない方にはハードルが高いので、取り込むプログラムを自動解凍式に変更し、設定の仕方をやや詳しく説明しましたので、何方でも設定可能になるよう工夫してみました。より明細を知りたい方は上記URLからより詳しい技術情報をお取り下さい。

このプログラムを有効に動かすには次の手順が必要です。
   先ず、この案内を印刷しておく
   設置プログラム、<popfile-0.21.2-windows.exe>を取り込む
   これをクリックして解凍する
   指定のフォルダから <setup.exe> を開き設定する
   POPFile と連携させるためメールソフトの設定 を変更する
   POPFile に正しい分類を教育する

最後の教育を1週間ほどやると、その後はほぼ正確に人工頭脳を使ってメールを自動分類してくれます。
この解説には、「POPFile」ホームページの解説をかなり引用しています。初心者にわかりやすいよう一部変更してあります。

1.自動解凍ファイルの取込

上にある蛸の画を押してプログラムを取り込みます。クリックすると「ファイルのダウンロード」画面がでて「開く」または「その場で実行」を選ぶとこの画面がでます
"Unzip to folder"の下にある反転した字が default の圧縮ファイルを解凍する場所のフォルダー名です。他のフォルダに保存したい場合は、「Browse」ボタンを押して、別のフォルダを指定してください。よければ「Unzip」ボタンをクリックすると、数秒で、プログラムが自動的に解凍されて指定したフォルダに格納されます。(必要なデスク容量は20MB)。

自動的に解凍したファイルを指定のフォルダーに展開します。「1 file(s) unziped successfully」と出たら「OK」を押し、「close」をクリックすると「解凍作業」は終了です。 次に「エクスプローラ」を開いて先ほど指定したフォルダ(そのままならDデスク内<program files>内の<popfile>フォルダ内に新しく作られた <setup.exe> という名のファイルをクリックします。

インストール時の設定
まず「Language Selection」画面で「Nihongo」と聞かれるので「OK」
「POPFile のリソースノートを表示しますか?」画面は「NO」ボタン
「POPFile セットアップ・ウィザードへようこそ」画面は「次へ」
「ライセンス契約」は「□このライセンス契約に合意」にチェック「次へ」
「コンポネントを選ぶ」はそのまま「次へ」
「プログラム・ファイルの保存先」は「C:\progarm files/...」となってい     るが、もし D Disk に保存したいなら C: を D: に変更して「OK」
「"xxxx"のための POPFile の保存先」は特別無ければそのまま「OK」
「POPFile インストール・オプション」は変更せず「インストール」
「POPFile の分類用バケツの作成」はそのままで「続行」
「4個のバケツが POPFile 用に作成・・・」はそのまま「はい」
「メールクライアントの設定」はそのまま「次へ」
「POPFile の起動」はそのままで「次へ」
「POPFile セットアップが完了・・・」はそのまま「完了」を押す


ここで自動的に「POPFile コントロール・センター」画面が表示されたらインストールは成功です。おめでとうございます。でもこれだけではプログラムは何もしません。次のステップへどうぞ。

3.メールソフトの設定変更

POPFile の原理は、メールをプロバイダのメールボックスから、POPFile が受け取りどのバケツに振り分けるかを決めるためにスキャンします。一瞬のうちに振り分け先を決めると、POPFile は次のいずれかをおこないます。[spam] のようなタグを件名の最初に追加して、Microsoft Outlook Express が持つようなシンプルなフィルタリング機能でメールを振り分けられるようにするか、あるいは Microsoft Outlook が持つような高度なフィルタリング機能(メールソフトの各フォルダに振り分ける)に対応して、以下のような新しいメールヘッダーを追加することができます。

メールソフトを POPFile と連係させるには、次の二つのことをしなければなりません。

  1. メールソフトの設定を変更して POPFile と接続するようにする
  2. 分類がきちんとおこなわれるようにメールフィルターをセットアップする

まずメールソフトの設定変更からやりましょう。フィルターのセットアップについてはその後、続けておこないます。

OUTLOOK 以外のメールソフトををお使いの方々
OUTLOOK をご使用の方は次の欄へ)以下はいくつかの有名なメールソフト(例えば Becky など)にそれぞれ対応した説明です。ほかのメールソフトを使用している場合、あるいは上級者のための一般的な説明は次の通りです:

Secure Password Authentication を使用しているアカウントについては、POPFile の特別な使い方: Secure Password Authentication を参照してください。またフィルターの設定は個々のソフトにある指示に従ってください。

OUTLOOK を使っている方の設定

ややこしいように見えますが、実際には2分ほどで設定変更できます。間違えることも少ないでしょう。(念のために、元に戻せるよう始めの設定値をどこかにひかえておくのがよいでしょう)

Outlook

  • Outlook のメニューより「ツール」->「電子メール アカウント」を選びます。「電子メール アカウント」のダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
  • 「既存の電子メール アカウントの表示と変更」を選び、「次へ」をクリックします。POPFile を使用するアカウントを選び、「変更...」をクリックします。 「受信メール サーバー(POP3)」と「ユーザー名」の値をひかえておきます。[スクリーンショット]
  • 「受信メール サーバー(POP3)」の値を 127.0.0.1 に変更し、「ユーザー名」の値は元の「受信メール サーバー(POP3)」の値と元の「ユーザー名」とをコロンでつなげた値に変更します。 [スクリーンショット]
  • つまり、元の「受信メール サーバー(POP3)」の値が my.mail.com で「ユーザー名」が jdoe だとすると、新しい「ユーザー名」は my.mail.com:jdoe となります。
  • パスワードは変更する必要はありません。
  • 「次へ」をクリックし、次に「完了」をクリックします。
  • POPFile を起動して、全ての電子メールが POPFile を経由してメールソフトに配信されるのを確認してください。
  • Windows が起動するときにはいつでも POPFile も起動するようにしてください。Windows インストーラーバージョンを使用していれば、「スタート」メニューの下の「POPFile」グループから「Start POPFile in Background」リンクを「スタートアップ」グループにドラッグすればよいでしょう。そうすれば、Windows は常に POPFile を起動するようになります。
  • 重要!POPFile が起動していないと、電子メールは配信されず、メールソフトは正常にメールサーバーと接続することができません!

Outlook Express

  • Outlook Express のメニューより「ツール」->「アカウント」を選びます。「インターネット アカウント」のダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
  • POPFile を使用するために設定を変更するアカウントを選び、「プロパティ」をクリックします。 [スクリーンショット]
  • 「サーバー」タブを選びます。「受信メール (POP3)」と「アカウント名」の値をひかえておきます。 [スクリーンショット]
  • 「受信メール (POP3)」の値を 127.0.0.1 に変更し、「アカウント名」の値は元の「受信メール (POP3)」の値と元の「アカウント名」とをコロンでつなげた値に変更します。 [スクリーンショット]
  • つまり、元の「受信メール (POP3)」の値が my.mail.com で「アカウント名」が jdoe だとすると、新しい「アカウント名」は my.mail.com:jdoe となります。
  • パスワードは変更する必要はありません。
  • 「OK」をクリックし、次に「閉じる」をクリックします。
  • POPFile を起動して、全ての電子メールが POPFile を経由してメールソフトに配信されるのを確認してください。
  • Windows が起動するときにはいつでも POPFile も起動するようにしてください。Windows インストーラーバージョンを使用していれば、「スタート」メニューの下の「POPFile」グループから「Start POPFile in Background」リンクを「スタートアップ」グループにドラッグすればよいでしょう。そうすれば、Windows は常に POPFile を起動するようになります。
  • 重要!POPFile が起動していないと、電子メールは配信されず、メールソフトは正常にメールサーバーと接続することができません!

次にメールのフィルターを設定します。これによって、POPFile がメールの分類を行った後、メールプログラムはそのメールを受け取り、適切なフォルダに自動配分します。

Outlook

  • Outlook のメニューより「ツール」->「自動仕訳ウィザード...」を選びます。[スクリーンショット]
  • 自動仕訳ウィザードが開きます。「新規作成...」をクリックし、「新しいルールを作成」を選びます。[スクリーンショット]
  • Outlook はメールのフィルタリングが完全にバックグラウンドで行われるように、仕訳に X-Text-Classification ヘッダーを使うことができます。「次へ」をクリックし、メッセージヘッダーに特定の文字が含まれる場合 を選びます。
  • グレーにハイライトされた 特定の文字 リンクをクリックし、"X-Text-Classification: " に続けてバケツ名をテキストボックスに入力し、「追加」、次いで「OK」をクリックします。
  • 「次へ」をクリックし、指定フォルダへ移動する を選びます。
  • グレーにハイライトされた 指定 をクリックするとフォルダのリストが表示されます。バケツに分類されたメールの移動先フォルダを選び、「OK」をクリックします。
  • 「OK」をクリックし、「完了」をクリックします。
  • 各バケツごとに以上のプロセスを繰り返します。
  • 終了です!
  • 補足: POPFile web インターフェースの「設定」タブ上で、「件名の変更」をオフ にします。

Outlook Express

  • Outlook Express のメニューより「ツール」->「メッセージ ルール」->「メール...」を選びます。 [スクリーンショット]
  • 「メッセージ ルール」画面が開きます。 [スクリーンショット]
  • Outlook Express はメールのフィルタリングを完全にバックグラウンドで行うことができる X-Text-Classification ヘッダーを使うことができません。そこで、代わりに件名に指定した言葉が含まれる場合をクリックし、また 指定したフォルダに移動するもクリックします。 [スクリーンショット]
  • 青でハイライトされた 指定した言葉が含まれる リンクをクリックすると、「単語の入力」ダイアログボックスが開きます。 [スクリーンショット]
  • [大括弧]で囲んだバケツの名前一つを入力し、「OK」をクリックします。今度は、青でハイライトされた 指定したフォルダ をクリックすると、「移動」ダイアログボックスが開きます。 バケツに分類されたメールの移動先フォルダを選び、「OK」をクリックします。 [スクリーンショット]
  • 「OK」をクリックします。
  • 各バケツごとに以上のプロセスを繰り返します。
  • 終了です!
  • 補足: POPFile web インターフェースの「設定」タブ上で、「件名の変更」をオン にします。

ここで[spam]が件名の頭に付いたメールを「削除フォルダ」に指定すると、全てのスパムメールは受信と共に削除フォルダに入ります。


3.POPFile に正しい分類を教育する

何もしていない最初の状態では、POPFile は全く賢くありません。迷惑メールが何であるかも知りませんし、電子メールが何であるか、設定されたバケツが何を意味するかさえ知りません。POPFile をトレーニングするには少しばかりの時間がかかります(約1週間でかなり利口になります)。

POPFile が間違いを犯したら (...確実に間違えます!)

POPFile の分類システムは、有効に働くまでしばらく訓練する必要があります。訓練すればするほど効力が上がります。実際、一番最初はメールを分類することさえしません。「unclassified」(未分類)のままにしておきます。

POPFile が電子メールを間違って分類する度に、あるいは全く分類しない度に、web 上の「履歴」タブ(デフォルトで開きます)を見に行ってください。


この画面は、タスクバー右側の蛸のアイコンをクリックし「POPFile UI」を押すと表示されます。(またはhttp://popfile.sourceforge.net/)のアイコンをデスクトップに作ると便利です。
そこには、最近受け取った20通かそこらのメールが、POPFile がどのように分類したかという情報とともに表示されています。このメールはすでに保存されているので、POPFile の分類に影響を与えることなく、メールソフト上で自由に移動したり削除したりして構いません! POPFile はメールの再分類が行われたときにだけ学習します。
もし分類に間違えが有れば、

各メールごとにある「再分類」欄の矢印を押して、正しい分類に変更し、ページごとに画面右下の「再分類」ボタンを押してください。この例だと、[2]に次のページが存在することを示しますが、同様に再分類して、右下にある「再分類」ボタンを押して確定し、チェックが全て済んだら「全て削除」でメールを履歴から消します。消さないと次回のチェックの際また出てきます。

POPFile は 「if it ain't broke, don't fix it」(壊れていないものを直す必要がない)というセオリーに従って動いているのです。POPFile にしばらく時間を与えてやってください。 訓練すればするほど効果が上がるのです。

以上です!

そして初期設定も以上で完了です! POPFile を動かす準備ができました。



2004/10/03
文責: 南