スポーツ競技で優秀な成績を残した選手はオリンピックや国体に出て、個人または団体戦で世界1とか日本1を争います。同様に身障者の祭典にはぱらりんピックがあります。
ねんりんピックとは国が高齢者福祉事業の一つとして、年令が60才以上で健康でスポーツに励んでいる人達を対象に約30種類の競技を行い、日本1を競う高齢者の一大スポーツの祭典の事を云います。
参加選手は都道府県と政令都市から代表チームが選ばれ、勝ち残り方式で競技を行い、日本1の優勝、2位、3位を決める事なります。
開催地は国体同様、毎年各県が順ぐりに主催県となって競技が行われています。
私は昨年秋に茨城県主催第20回ねんりんピック弓道の部に神奈川県チームの選手として参加してきました。
私がねんりんピックに参加出来ると決まったのは昨年5月の事で、神奈川県立武道館弓道場でねんりんピック選手派遣選抜射会が催された時であります。
この射会には約160人の選手が集まり、矢が的に当った数の多い順に7人が県代表選手に選らばれました。
その内、試合に出られるのは1チーム5人で後の2人は補欠で正選手が事故ある時に代わって出ると云う役目です。
監督から試合に出られる5人の人選はこれから始まる特訓の結果を見て10月末に決定するとの事でありました。
神奈川県代表チームは最長老が私で82才、残る6人は70才台1人、60才台が5人と云う顔ぶれです。皆んな元気な人ばかりです。
稽古が始まると誰も口には出しませんが補欠にはなりたくないと、何時もと違った意気込みで稽古が行われています。
そんなお稽古が模擬競技の練習等も入れて約6ヵ月続いたのであります。
正直云って疲れました。
然し、私もこんなチャンスは2度とないぞ、補欠に回されてたまるか、「よーし、年は関係ない! わが弓道人生最後のチャレンジの場だ」と位置付け、自らを鼓舞して練習に励んだのであります。
その結果、10月末の監督の発表で私は神奈川県代表の正式選手としてねんりんピックに出場する事に決まったと云う次第です。
ねんりんピックの競技には全国都道府県と政令都市から64チームが集まりました。11月11日には1次予選が12日には2次予選があり、そこで下位48チームが落とされてしまいました。
午後から勝ち残った神奈川県チームを含む16チームは優勝を目指してトーナメント方式で勝ち抜き戦が行われました。
神奈川県は善戦し、上位に勝ち進みましたがもう少しの所で力尽き3位の準優賞となり賞状、トロフィー、そして選手には沢山の観客の前で一人々々「銅メダル」を首に掛けてもらいました。
大拍手です。神奈川県は日本で3位です。私はその神奈川県選出のメンバーとして活躍出来た事をこの上ない喜びと感じています。
我が人生、本当に幸せな出来ごとでした。
平成20年3月17日 弓道錬士六段 新井正憲
|