平成19年12月30日
恵寿友会会員、小田利久さんが書かれた「刀伊の襲来」を読む機会に恵まれました。 日本史実にある1019年に起きた、女真族(今の北朝鮮、中国、ロシア国境を中心とした地域に住んだ民族)が対馬、壱岐、北九州沿岸を襲った事件を中心に、時代考証に基づいて物語を組み立てたものです。 記録によると殺戮された者500名、拉致された者1300名、斬って食した牛馬199疋とかで、凄惨な事件であった様が描かれています。 待伏せしていた高麗水軍が捕虜を満載した盗賊船団を迎え撃ち、海に投げ出された捕虜の内250人ほどを救い出し、最終的には日本に届けたという結末まで一気に読ませていただきました。 会話は全て方言(博多弁?)となっていて、小田さんはお詳しいのでしょうか。 この大事件について、現地大宰府での騒ぎと、時の関白菅原道長のおわす都の問題意識の差にも触れられていました。 元寇襲来の250年ほど前、倭寇が暴れた330年前の話です。 以上、紹介させていただきます。 「刀伊の襲来」小田利久著 発行所:レーヴック、発売:星雲社、定価:¥1,500(税別) (栗山)