元ホームエネルギー部でご活躍された吉見さんは退職後、密教の聖地、高野山大学院に入学され、昨年発刊された「高野山大学院紀要」の中に、吉見さんの学術論文「肥前国松浦郡田浦考序説」が載ったことについては、昨年の7月に恵寿友会ホームページ「個人活動」でご案内しました。(五島列島・奈留島の船廻湾)
今年10月に(株)宮田製本所から出版された「遣唐使船の時代―時空を駆けた超人たち」という本で、吉見さんの学術論文が参照されるという快挙がありましたので、ここにご紹介します。
今年は遷都1300年記念祭に当たり、平城宮跡では大極殿が復元されたり、上海万博のジャパンデーに向けて「遣唐使船再現プロジェクト」があったりしましたが、春日大社で遣唐使船に関するシンポジュームが開催され、遣唐使の交流をテーマに複数の学者による講演会があり、その内容をまとめたものが、この本の内容です。
鈴木靖民、上田正昭、上野誠、森公章、榎本淳子、竹内孝善、王巍、田中史生、河添房江の9名の学者が9つの項目別に論じています。
吉見さんの論文参照は第6章の「最澄・空海と霊仙」(竹内氏)の中にあり、「肥前田浦の位置」という項目に記されています。
ここでは遣唐使に関して未解決の問題(最後に風待ちをした「田浦」とは何処であったか?)があり、ここで吉見さんが5年間をかけて現地踏査した結果、導き出した説(奈留島の船廻湾)を実証的かつ説得力のある説だ、と論じています。
吉見さんのこの快挙に心からお祝いいたします。本当におめでとうございました。
吉見さんは現在九州の大分県で本格的農家としてご活躍の傍ら、この小さな島の歴史を書き続けておられるとのお話しです。
益々のご精進をお祈りします。
(栗山 記)
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