心と身体を元気にする方法

−ストレスに負けない心と体をつくる3つのメイク−

うつ病をはじめとする心の病で医療機関を受診する人が年々増えています。その背景として、複雑化する社会の中でさまざまなストレスを抱えたまま生活せざるを得ない現代社会の構造が考えられます。もはや、ストレスを避けて生きることは不可能に近いことです。ではどうしたらよいのでしょうか・・・?避けることが出来ないのならば、負けない心と体をつくることが大切です。今回はそのための3つのメイクをご紹介します。春は「5月病」という言葉があるように、生活環境の変化や季節の変わり目で体調を崩しやすい季節ですので、ぜひ参考にして強い心と体をつくって下さい。

    メイクとは『体をつくる』と日本語で表現されるような準備過程、製造過程を表します。

    メンタルメイク

まずはイライラ・不安・落ち込みなどのストレスによって心が疲れてしまうのを防ぎましょう。次の16のような考え方のパターンは判断を歪めて心が疲れやすくなってしまいます。これらのパターン、どれかは「やっちゃうなぁ」という項目があるのではないでしょうか?まずは危険な思考パターンを知り、図にはそれらを転換するためのメンタルメイクが載っていますので、図のように切り替える練習を普段からしていきましょう。
1.  0100か思考(完全主義的思考)
 
一つの事柄が思うように運ないとすぐに落ち込む。
2.過剰な一般化
一つの失敗や嫌な出来事から「すべてがそうなってしまう、すべてがそうなんだ」と考える。
3.否定的側面の否認
良い出来事なのにもかかわらず、「まぐれだ」とか「こんな良いことがあったら次には悪いことがくる」などとそれを否定してしまいます。

4. すべき表現
「〜すべきだ」とか「絶対にこうしなければならない」という考えが強すぎて自分自身を縛る。
5.心の先読み、結論の飛躍
例えばメールの返信がすぐにこないと、「あの人は自分を嫌っている」「メールの内容に怒ってる」などと他の可能性を無視して、事実を確認せずに一気に悪い結論に結びつける。



6. レッテル張り
否定的な自己像をつくり上げてレッテルを張り、何かあるとその原因をレッテルに求める。口下手である自分、だから仕事がうまくいかない、など


ボディメイク
元気な体はストレスへの抵抗を強くします。ボディメイクでストレスに負けない体をつくりましょう。
ボディメイクは食事・運動の2つの要素を大切にします。
1.食事
食事では脳の栄養になるブドウ糖を安定供給する
こととセロトニン(脳内の神経伝達物質)の材料になる栄養を不足させないことが大切です。そのためには次のことを心がけてください。
13食きちんと食べる。特に朝食を必ず摂るようにする。
栄養バランスよく食べる。
2.運動
運動には、ストレスホルモンを減少させる効果があります。仕事をしたり悩み事があったりすると、左脳を酷使しがちです。運動は、右脳と左脳の血流のバランスをとって、脳の疲れを回復させる働きもあります。運動のために時間を取らなくても、「仕事の合間にちょっと伸びをする」などでも効果があります。あらためて「運動」すると考えずに、図の簡単に出来る運動を参考にして、テレビを見ながら、仕事をしながらなど「ながら運動」で気軽に実施していきましょう。

エネルギーメイク
ストレスがかかっても、すぐに立ち直れる元気な脳を育てるのがエネルギーメイクです。ストレスに負けない心身をつくるには、セロトニンという精神安定作用のある脳内の神経伝達物質の分泌を増やすことが大切です。特に女性はセロトニンが不足しがちですから、エネルギーメイクやリズム運動でセロトニンを増やしましょう。同じリズムの運動を一定時間繰り返す運動のこと。セロトニンの分泌が活発になることが分かっている。早歩きで20分以上歩く、編み物をする、腹式呼吸をする、一定の速度でガムを20分以上噛むなど。

心と体を元気にする3つのメイク・・全てやろうと思わなくても大丈夫!出来そうなことから取り組んでストレスに負けない心とつくってみませんか?

以上

<引用・参考>:暮らしと健康 20084月号 保健同人社