AEDをご存知ですか?

 日本における病院外での心停止の発生件数は、年間2-3万件と推測されています。この数字は、交通事故による死者数の3-4倍にのぼります。突然の心停止の原因の多くが重症の不整脈であるといわれていますが、こうした不整脈を電気ショックによって正常なリズムに戻すため機械としてAEDがあります。日本でも普及してきました。AEDは誰でも使えるものですから、みなさまにも知っておいていただきたいと思い、今回ご紹介させていただくことにいたしました。

1. 放っておくと死に至る不整脈に使用する機械です

  AEDAutomated External Defibrillatorの略です。日本語では「自動体外式除細動機」と訳されていますが、日本でもAEDという呼び方が一般化しています。

  私たちの心臓はポンプの役割をし、全身に血液を送っています。ところが、心室細動などの重症な不整脈が起こると、心臓がけいれんしポンプの役割を果たせなくなるため、重要な臓器に血液が行き届かなくなってしまいます。その結果、放っておくと、死に至ってしまうのです。

  AEDは、けいれんを起こしている心臓に電気ショックを与えることで、正常なポンプ機能を取り戻すための機械です。ER(救急救命室)などのテレビドラマで、意識がない患者さんに機械を使って電気ショックを与える場面をごらんになった方もいらっしゃるかと思いますが、その機械の簡易版と思っていただければ、わかりやすいかもしれません。

2. 誰でもカンタンに使えます

  日本では、以前はAEDを使用できるのは医師や救急救命士に限られていました。しかし、20047月から、誰でも使ってよいことになりました。使い方も、スイッチを入れ、音声にしたがって操作するだけですからカンタンです。なお、AEDは電気ショックが必要かどうかも自動的に判断しますので、不要な場合には電気ショックは実行されません。救命率と時間の関係のグラフ(除細動が1分遅れるごとに救命率は7から10%低下します。)



 






3. 迅速に使用する必要があります

  心室細動が起こってから電気ショックを行って助かる可能性は、行うまでの時間とともに低くなってしまいます。具体的には1分間に7-10%低下します。日本では、救急車を呼んでから到着するまで約6分間かかります。グラフより、6分時にAEDを行って助かる可能性は40%まで下がってしまいます。救急車が到着する前に、倒れている人の近くにいる方がAEDを使用して電気ショックをできるだけ早く行えば、救命率も上がります。

4. 設置場所が増えてきています

  倒れている人を発見した場合、AEDをできるだけ早く使用できるよう、人が多く集まる場所(駅、空港など)や運動による不整脈が起こりやすい場所(体育館、フィットネスクラブなど)をはじめとするさまざまな施設に、AEDが設置されてきています。
http://www.keikyu.co.jp/corporate/press/mk_auto/061115.shtml
エクソンモービルグループでも、本社や各サイトでAEDをすでに導入していたり、今後導入することを検討しています。たとえば、品川オフィスでは、各階共用部西側の自販機の横に、川崎工場では各号地に設置しています。

  (品川オフィスのAED)
5. 命が助かった例

  最近のマスコミで大きく取り上げられた例では、2005年の愛知万博では4人の方が、20072月に行われた東京マラソンでは2人の方がAEDによって命を救われました。なお、エクソンモービルグループでは、現在まで、AEDが実際に使用された例はございません。

6. 心停止に対しては無効です
 今まで述べたとおり、AEDは救命のためにとても有効な機械です。しかしながら、止まった心臓に対しては無効です。心臓が止まってしまった場合は、従来の心肺蘇生で行っていた、心臓マッサージを行う必要があります。AEDが使用できるのは心室細動などの不整脈に対してのみであることを覚えておいてください。

. 講習を受けることをおすすめします
AEDは誰でもカンタンに使用できるのは事実です。しかしながら、いざというときに自信をもって使うことができるように、講習会に参加されることをおすすめします。講習会ではAEDだけでなく、AEDが使用できなかった場合の心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生についてのトレーニングもあわせて行われます。消防署などで、一般向けに講習会が開催されており、修了者には認定証も交付されますので、興味のある方は、下記URLなどをごらんいただくか、最寄りの消防署にお問い合わせください。
http://www.teate.jp/k_kousyu/index.html

8. 倒れているひとを発見した場合
もし、倒れている方を発見した場合、AEDを含む心肺蘇生の講習を受けたことのある方は、意識の確認からの流れをぜひ実践してください。心肺蘇生ができない方でも助けを呼ぶ、119番通報する、AEDの場所を知っていれば持ってくるなど、できることを行っていただきたいと思います。


(参考・引用)
・日本版救急蘇生ガイドライン
・日本光電のインターネットサイト:http://www.nihonkohden.co.jp/aed/aed.html